地域の魅力を掘り起こし世界へ発信する。
2023年度から、国際観光学科は国際文化ツーリズム学科に名称変更いたします。
国際観光学科は1993年に創設されました。2023年にちょうど30歳を迎えます。その間に、観光だけでなく、国際分野、地域分野・文化研究分野の充実をはかって参りました。これを機に、国際、地域を前面に出した名称へと変更することとし、国際文化ツーリズム学科という名称を選びました。
国際文化ツーリズム学科という名称には、国際・文化・ツーリズムの三つの領域が学べる学科であるという意味が込められています。国際・文化・ツーリズムだと地域は入っていないと思われるかもしれませんが、文化には「地域の文化を創造する」という意味も込めています。
国際文化ツーリズム学科は社会学、文化学、観光学などの学びを提供する人文・社会科学系の総合学科です。
英語教育を基盤に、「ビジネス、マーケティング」「コミュニケーション、多様性」「地域活性化、まちづくり」を3つの柱として、実学的、実践的な教育を行っています。
グローバルな世界と身近な地域の両方を見つめ、新たな時代の創造に貢献できる人材の育成を目指しています。
英語力のブラッシュアップを学びの基礎にしています。必修の6科目、選択必修2科目を合わせ、学科独自の英語科目が8科目あります。少人数クラスで、一人ひとりがしっかりした英語コミュニケーション能力を身につけられる授業です。初級・中級・上級のクラス分けがありますので、「英語は得意ではないけれど、これからしっかり学びたい」という人にも対応しています。
「異文化間コミュニケーション論」「文化人類学」「多文化社会論」などの科目を通し、異文化理解を促すとともに、多様な文化の在り方や、文化間の交流、葛藤などの現実を学びます。これらの学びを通して多文化共生を実現していく力を身につけます。
「地域研究論」「観光地理学」「ツーリズムと空間」などの科目を通し、まちづくりや地域活性化を視野に、地域の産業、歴史、文化といった資源を発掘し、新たな地域の魅力をこれからの地域や社会に向けて、発信・プロデュースする力を身につけます。
「観光マーケティング論」「観光経営学」「ホスピタリティサービス論」などの科目を通して、観光産業だけではなく、経営、マーケティング、心理学などを実践的に学ぶとともに、文化の発信やヒトの移動などをいかにビジネスに活かしていくかを学びます。
地域活性化・まちづくりの現場への参加、ブライダル業界の体験、旅行プランの作成・実施など、地域に密着したフィールドワーク、業界のリアルな現場での体験を行うアクティブラーニング科目です。体験を通した深い学びを目指しています。
本学在外研究員の協力を得て、フランス、イタリアと新松戸キャンパスをオンラインでつなぎ、ヨーロッパの今を体感できる授業を開始します。
プロジェクト学習中の一つのプロジェクトとして、学科独自の海外研修も行ってきました。その中では海外ツアーを自分たちで構想し実践する試み、海外の大学との国際交流事業、海外での調査実習体験など、今まで様々なメニューで、中国・台湾、アメリカ、イギリス、シンガポール、タイ、オーストラリアなどへ出かけてきました。2023年度から、また新たな試みが始まります。
国際文化ツーリズム学科の学びに関するトピックやコラムをご紹介します。
英語を学ぶことは努力、忍耐だと思っていませんか。国際文化ツーリズム学科の英語の学びはコミュニケーションが基本です。その積み重ねが英語力のブラッシュアップにつながります。
フィールドワークとは現地調査のことです。正確には現地でのインタビュー、参与観察などを通してきちんとデータを取ることですが、国際文化ツーリズム学科の授業ではまず現場へ出向いてその実情や雰囲気を知ることと捉えています。まず現場を知ること、それが深い学びのスタートです。
国際文化ツーリズム学科での授業は、グループワークで課題解決を目指して調べる、データを整理しまとめる、プレゼンテーションするなど、結構忙しいです。もちろん、講義を聞くことも大切です。講義で得られる知識はフィールドで得た認識を、現実場面のより深い理解へと導いてくれます。
授業の様子をのぞいてみませんか? 模擬授業を短い動画にまとめましたので、ぜひご覧ください。
国際文化ツーリズム学科では4年生全員が卒業論文に取り組みます。一人ひとりがゼミでの学びから得られた関心や問題意識を中心に自身の研究テーマを設定し、担当教員の指導のもとに文献調査、アンケート調査、インタビュー調査などを行うことを通して必要なデータを収集し、論文をまとめていきます。
卒業論文提出後には卒論発表会も行います。この発表会では4年生全員が自身の卒業論文の内容についてのプレゼンテーションを行います。
国際文化ツーリズム学科の4年生は卒業論文と卒業論文発表、つまり文章とプレゼンテーションの両面で4年間の学びを締めくくります。
これまで学科の多様で幅広い学びを反映してさまざまな領域の優れた卒業論文が生まれており、例年、教員の協議による審査を通して「卒論大賞」を選出しています。「卒論大賞」では、その年の最も優れた論文に最優秀賞を、これに準じる論文に優秀賞、佳作を授与しています。ここでは、その一部をご紹介します。
セクシャルマイノリティであると自認される人々にとって「トイレ」の問題は身近でありながら大きな悩みの一つである。本論文はジェンダーやセクシュアリティを問わずに使える「オールジェンダートイレ」を大学内に設置するために、どのような取り組みを行っていけばよいかを論じたものである。先行研究、学内でのフィールドワーク、様々なジェンダー、セクシュアリティ、価値観を持った方々へのインタビューを通して何が必要なのかを検討し、「オールジェンダートイレ」の構想が提案されている。
国際的にみて日本のジェンダーギャップが大きい要因の一つは「女性管理職」の比率が著しく低いことである。本論文の筆者は、先行研究の整理を通して、この問題の解決には「女性の昇進意欲の喚起」が重要であるとの仮説を導き出している。その方法として「女性が経験を積んで自己効力感を高めること」「管理職に対する考え方を変えること」に着目し、4年生大学に在籍する女子大生100名を対象にアンケート調査を行っている。重ねて、アンケート調査対象者の中で特に管理職志向が強い女子大生へのインタビュー調査も実施している。この2つの調査の結果から、「女性が経験を積んで自己効力感を高めること」「管理職に対する考え方を変えること」は女子大生の管理職への昇進意欲喚起にも有効であるという結論を導き出し、女子大生に対する意欲喚起の取り組みについての提言を行っている。
卒業生は旅行会社やホテル・旅館などの観光産業ばかりでなく、JRや私鉄などの鉄道、商社・金融・情報通信・流通・サービスなど、多様な産業へ就職して活躍しています。地域に根ざした学びを活かして、公務員を目指す人もいます。大学院進学にも道が開かれています。
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